WOWOW 映画 「姑獲鳥の夏」


姑獲鳥の夏 プレミアム・エディション


WOWOWで最近放送されている映画です。
京極夏彦原作の推理?小説を映画化したモノです。

実は私は京極夏彦の本は一昔前結構読みまして、
この「姑獲鳥の夏」ももちろん読んでおります。
これは京極堂シリーズといわれているシリーズ物の第1弾です。
(といいますか、京極夏彦のデビュー作だと思われます)
推理小説と書きましたが、普通の推理小説とはちょっと違いますね。
非現実的な事件を現実的な解釈で主人公の京極堂が解決するというのが
このシリーズの特徴です。
(ただ、登場人物の中に非現実的な人が居るんですが)
題名に妖怪の名前が入っていて、
その妖怪の正体を暴くみたいな感じと言えば良いのかな?
劇中の京極堂セリフ
「世の中にはね、不思議なことなど何もないのだよ。関口君」
ってのがこのシリーズの特徴を良く表しています。




この映画雰囲気的には角川の横溝正史シリーズに似たところがあるのですが、
あちらは正統派の謎解きですけど、こちらは結構アクロバティックな謎解きです。
ただ、映画はかなり割愛していて
「なんでそこまで分かるの?アンタ?」
って感じですが、原作だと割と納得いくところがあるように思います。
ただ、これ以降の作品はかなり正統派から外れて、
もう推理小説とは言い難い作品なのではないかと思います。


登場人物がかなり多彩で魅力的なのですが、
映画の配役もいろいろ考えられてると思います。
ただ、堤真一と阿部ちゃん。
二人とも好きな役者ですが、どうも原作のイメージとは違うかなぁ?
あと、京極堂が事件を解決する時に必殺!仕事人が仕事に行くような
イメージがあったのですが、その演出が殆ど無くちょっと不満。
(この作者は妖怪&必殺オタクでこの作品はその両方を取り入れています)


本人もかなりの出たがり君で水木しげる氏の役(真似)で出演しています。
通常は必殺!仕事人のような格好をして小説の作者近影欄に載っています。
しかも化粧までしていて、志茂田景樹の後を継げる逸材でしょう。
ゲゲゲの鬼太郎で脚本書いて京極堂を出演させ
自身が吹き替えまでしたという出たがり君です)


続編を期待したいのですが、この「姑獲鳥の夏」以降の作品は
肥大化する一方で信じられない厚さの本になります。
(「姑獲鳥の夏」の2倍くらいの厚さでしかも上下巻とか)
なので2時間強の映画にまとめるのはちょっと難しいかなぁ?
(登場人物の台詞で2,30ページ使うってのが結構あるので)
ま、オタクが語り出すと止まらないのと同じって感じですかね?
でも仏教の話とかいろいろ面白いのでつい読んでしまうのですが。


ちょっと物足りないところもありますが、
京極堂シリーズの雰囲気は感じられるかな?程度です。
試しに見てみたら如何でしょうか?
本当は原作を読むのをオススメしますが(^_^;